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離婚したいと言われている

離婚に応じる必要はない

相手から一方的に「離婚したい」と言われたとしても、あなたはすぐに離婚に応じる必要は全くありません。日本の法律では、夫婦が離婚するためには、原則として夫婦間の合意が必要です。もし、あなたが離婚に同意しないのであれば、相手が一方的に離婚を進めることはできません。

離婚には、夫婦間の協議による協議離婚、家庭裁判所での調停による調停離婚、そして裁判所での裁判による裁判離婚の3つの方法があります。協議離婚は、夫婦双方が離婚に合意している場合にのみ成立します。調停離婚は、夫婦間で離婚の条件について合意に至らない場合に、家庭裁判所の調停委員の仲介によって話し合いを行う手続きです。この調停でも、最終的には夫婦双方の合意が必要となります。

裁判離婚は、民法が定める離婚原因(不貞行為、悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復の見込みのない強度の精神病、その他婚姻を継続し難い重大な事由)がある場合にのみ、裁判所の判決によって離婚が認められるものです。単に「離婚したい」という一方的な意思だけでは、裁判離婚は認められません。

したがって、相手から離婚を切り出されたとしても、あなたが離婚を望まないのであれば、毅然とした態度でその意思を伝えることが重要です。焦って結論を出す必要はありません。まずは、なぜ相手が離婚を考えているのか、その理由をしっかりと聞き、冷静に今後の対応を検討していくことが大切です。

離婚したくない場合にすべきこと

相手から離婚したいと言われた場合でも、あなたが離婚したくないと強く思っているのであれば、諦める必要はありません。取るべき行動を一つずつ丁寧に行うことで、関係修復の可能性を高めることができます。

①なにより冷静になること

まず最も重要なことは、感情的にならずに冷静さを保つことです。相手から離婚を切り出されたという事実は、あなたにとって大きな衝撃であり、動揺や悲しみ、怒りなど様々な感情が湧き上がってくるのは当然です。しかし、感情的に相手を責めたり、一方的に自分の気持ちをぶつけたりするだけでは、事態は悪化するばかりです。

深呼吸をする、一旦相手と距離を置くなどして、まずは落ち着いた状態を取り戻しましょう。冷静になることで、相手の言葉をしっかりと受け止め、客観的に状況を把握することができます。また、今後の対応について、より建設的に考えることができるようになります。

例えば、相手の言葉にショックを受け、すぐに感情的な反論をしてしまうと、相手はさらに心を閉ざしてしまう可能性があります。「あなただって悪かったじゃないか!」といった言葉は、相手の気持ちを理解しようとする姿勢を示さず、対立を深めるだけです。まずは冷静に相手の話を聞き、「そう考えているんだね」と受け止める姿勢が大切です。

②相手の気持ちは簡単には変えられないことを認識する

相手が離婚を考えるに至った背景には、様々な理由があると考えられます。それは、あなたに対する不満かもしれませんし、価値観のずれ、あるいは他に好きな人ができたなど、あなたには想像もできないことかもしれません。いずれにしても、相手は時間をかけて考え、離婚という結論に至った可能性があります。

そのため、「私が悪かった、もう二度としないから」といった安易な言葉で、相手の気持ちがすぐに変わると期待するのは難しいでしょう。相手の気持ちは、そう簡単に変えられるものではないということを認識しておく必要があります。

相手の気持ちを変えるためには、表面的な謝罪だけでなく、相手が離婚を考えるに至った根本的な原因を理解し、それに対して真摯に向き合う姿勢を示すことが重要です。時間もかかることを覚悟し、根気強く関係修復に取り組む必要があります。

③相手が離婚を切り出した理由を確認する

冷静さを取り戻したら、次は相手がなぜ離婚を考えているのか、その理由を具体的に確認しましょう。感情的に問い詰めるのではなく、「もしよかったら、どうしてそう思ったのか話してくれるかな?」といった穏やかな態度で、相手の気持ちを聞き出すことが大切です。

相手の話を注意深く聞くことで、離婚の原因となっている問題点が見えてくることがあります。それは、日々のコミュニケーション不足かもしれませんし、価値観のずれ、あるいは生活習慣の違いなど、様々でしょう。相手の言葉に耳を傾け、共感する姿勢を示すことで、相手も心を開きやすくなる可能性があります。

ただし、相手が必ずしも正直に理由を話してくれるとは限りません。また、複数の理由が絡み合っている場合もあります。相手の言葉を鵜呑みにするだけでなく、これまでの二人の関係を振り返りながら、自分なりに離婚の原因を探ることも重要です。

④自分の気持ちを整理し、自分のできることを考える

相手の離婚理由を聞いた上で、改めてあなた自身の気持ちを整理しましょう。「本当は離婚したくないのか」「もし離婚するとなったら、どのような条件を希望するのか」など、自分の心と深く向き合ってみてください。

そして、離婚したくないという気持ちが強いのであれば、関係修復のために自分にできることは何かを具体的に考えましょう。例えば、相手がコミュニケーション不足を感じているのであれば、積極的に会話をする時間を作る、相手の趣味に関心を持つなどが考えられます。もし、生活習慣のずれが原因であれば、お互いが歩み寄れる点を探る必要があるでしょう。

自分だけで考えるのが難しい場合は、信頼できる友人や家族に相談してみるのも良いでしょう。客観的な意見を聞くことで、新たな視点が見つかることもあります。また、弁護士に相談することで、法的な観点からのアドバイスを得ることも有効です。

⑤必要があれば離婚届不受理申出書を出しておく

もし、相手が一方的に離婚届を作成し、提出してしまうのではないかという不安がある場合は、念のため、市区町村役場に離婚届不受理申出書を提出しておくことを検討しましょう。この申出書を提出しておけば、あなたが同意しない限り、離婚届が受理されることはありません。

これは、あくまでも最終的な防衛策であり、相手との関係を修復するためのものではありません。しかし、精神的に不安定な状況にある場合や、相手の行動に不安を感じる場合には、有効な手段となります。

離婚届不受理申出書の提出方法については、お住まいの市区町村役場の戸籍係に問い合わせるか、ホームページで確認することができます。

離婚したくない場合にすべきでないこと

離婚したくないという気持ちが強い時ほど、焦りや不安から、事態を悪化させてしまう可能性のある行動を取りがちです。以下に挙げる行動は避け、冷静に対応するように心がけましょう。

①別居する

相手から離婚を切り出された直後に、感情的に家を出て別居してしまうのは避けるべきです。別居は、夫婦関係の破綻を決定的なものにする可能性があります。また、法的には、別居期間が長くなるほど、離婚が認められやすくなる傾向があります。

もし、一時的に距離を置く必要があると感じる場合でも、まずは相手とよく話し合い、同意を得てからにするべきです。無断で別居することは、相手に不信感を与え、関係修復をより困難にする可能性があります。

②一人で思い詰めて考える

離婚という問題に直面すると、誰かに相談することもできず、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、一人で思い詰めて考えていても、解決策が見つからないばかりか、精神的に追い詰められてしまう可能性があります。

信頼できる友人や家族に気持ちを打ち明けたり、専門家である弁護士に相談したりすることで、気持ちが楽になったり、新たな視点が見つかったりすることがあります。決して一人で悩まず、誰かに頼ることを考えてみましょう。

③相手の悪いところを責める

相手が離婚を考えている理由を聞いたとしても、感情的に相手の悪いところを責めるのは避けるべきです。「あなただっていつも〇〇だったじゃないか!」といった言葉は、相手を攻撃するだけで、建設的な話し合いにはなりません。

相手を責めることで、一時的にあなたの気が晴れるかもしれませんが、相手はさらに心を閉ざし、関係修復は遠のいてしまいます。相手の気持ちを理解しようと努め、冷静に話し合うことが重要です。

④妻だから・夫だから、親だからという説得

「妻なら(夫なら)、もっと家庭を大切にするべきだ」「子供のために離婚はするべきではない」といった言葉は、相手の気持ちに寄り添うものではなく、一方的な押し付けに聞こえる可能性があります。

相手も様々な葛藤を抱え、離婚という結論に至ったのかもしれません。あなたの立場や感情を主張するだけでなく、相手の気持ちにも配慮し、対等な立場で話し合うことが大切です。

⑤感情に任せて相手を非難する

相手の言葉や態度に腹が立ち、感情的に相手を非難したり、暴言を吐いたりすることは絶対に避けましょう。そのような言動は、相手との信頼関係を完全に破壊し、関係修復を不可能にする可能性があります。

どんなに辛い状況であっても、冷静さを保ち、理性的に話し合うことが重要です。感情的になりそうになったら、一旦深呼吸をするなどして、自分をコントロールするように努めましょう。

調停の申立て

夫婦間の話し合いがうまくいかない場合や、相手が話し合いに応じてくれない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることを検討しましょう。調停では、裁判官と調停委員が間に入り、夫婦双方の意見を聞きながら、離婚や離婚条件について合意を目指して話し合いを進めます。

調停は、裁判とは異なり、あくまでも話し合いによる解決を目指す手続きです。あなたの意思に反して、無理やり離婚させられることはありません。調停委員は、法律の専門家ではありませんが、紛争解決の経験が豊富であり、中立的な立場からアドバイスや提案をしてくれます。

調停を申し立てるには、家庭裁判所に申立書を提出する必要があります。申立書の書式や必要な書類については、家庭裁判所の窓口で教えてもらえますし、裁判所のホームページからもダウンロードできます。

調停は、夫婦だけで話し合うよりも冷静に、かつ建設的に問題解決を図るための有効な手段です。もし、話し合いが膠着状態にあると感じたら、早めに弁護士に相談し、調停の申立てについても検討してみることをお勧めします。弁護士に依頼すれば、調停の手続きを代行してもらうだけでなく、法的な観点から適切なアドバイスを受けることができます。

まとめ

相手から離婚したいと言われた場合、まず最も大切なことは冷静さを保ち、感情的にならずに対応することです。離婚に応じる必要は必ずしもなく、離婚したくないという強い気持ちがあれば、関係修復のためにできることはあります。

相手が離婚を考えるに至った理由を丁寧に聞き、あなた自身の気持ちを整理した上で、可能な範囲で関係改善に向けて努力しましょう。一人で悩まず、信頼できる人に相談したり、必要に応じて弁護士にアドバイスを求めることも重要です。

もし、夫婦間の話し合いが難しい状況であれば、家庭裁判所の離婚調停という手段もあります。調停では、第三者を交えて冷静に話し合いを進めることができます。

離婚は、人生における大きな転機であり、精神的な負担も大きいものです。しかし、決して一人で抱え込まず、周りのサポートを受けながら、最善の解決策を探っていくことが大切です。

もし、あなたが今、離婚問題を抱えており、誰に相談すれば良いか分からず悩んでいるのであれば、一度、弁護士にご相談ください。弁護士は、あなたの状況を詳しくお伺いし、法的な観点から適切なアドバイスをすることができます。今後の手続きや、相手との交渉についてもサポートさせていただきます。

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